プロが教える仕事シリーズ
10月になりドイツ・ベルリンのお店にも栗が並びだして秋を感じます
大きさ不揃いですが1kg=9,90€が今年の初見値、大きい物では日本で言う「L〜3L」サイズがあるので用途によって選んで購入できます、必要なだけ買えるので量り売りの良いところですね
この記事では難しそうな渋皮栗の作り方と注意点、仕上げにひと手間の私オリジナルレシピを紹介します、工程としてはシンプルな作業です、適宜写真を含まえてますので同じように行なって挑戦してみてください
栗の種類・選び方
昨日ドイツの大手スーパー「EDEKA」で購入してきたもので「Marrone(マローネ)やKastanie(カスターニエ)」と書かれています
450gで約700円でした品種としては何になるのかわかりません、ざっくりとヨーロッパの西洋栗?
厳密に言えばこのMarrone(マローネ)はイガに1個入っている栃の実を指しており
Castanea(カスターニエ)はイガに2〜3個入っている栗のみを指していて、これをシャンテーニュ(châtaigne:フランス語)とも言います
日本では品種・産地などの情報も記載してるので日本人の丁寧さを感じます☺️
我が兵庫県の丹波栗・岐阜県小布施・愛知県中山と日本栗名産地といい、和栗の品種としては10数種も数えられますが大体銀寄・筑波・丹沢・利平の4種で全体の7割を占めているとの事です、これも合わせて覚えておきましょう
選び方としては「色も濃く張り艶がある方が美味しそう」というのは大体そう思うでしょうから、これ以外の選別法として少し押してみてブカブカとへこまない物で白い粒が付いてないものがいいです、あと下のざらつく面が黒っぽくなっていない物を選びます
手が痛くならない簡単な剥き方と茹で方
栗を洗って剥く工程ですが、とにかく硬いのでお湯につけてましょう、熱湯でなくてもいいのでご家庭の水道の湯の温度ほどで充分です、20〜30分でいいでしょう
鬼殻を柔らかくしてから剥きやすくします、包丁できっかけをつけてから、クリっと縦に回すように剥けます、真ん中が取れたら両サイドは手で取り除けるので仕事が速いです
また、骨抜きで先の尖ったところからも剥くとこができます、包丁使わずなので子供さんと一緒にできます
細かなところは後から取れるので下茹でをします、栗全体が浸かる広めの鍋がいいです
「1度目」
多めの水に2リットル程に重曹を小さじ1杯ほど入れて茹で作業です
火をつけて沸騰させないように管理していくとモコモコと泡立ち、黒くなるので10〜15分したら水に晒します
「2度目」
水を変えもう一度茹でます、次は同じ分量に塩を小さじ1杯加えます、塩を加えることで皮が破れにくくなる効果があります、1回目は入れません。
沸いてから更に10分茹でて水に晒して状態を確認します
この時に渋皮を掃除していきます、ポイントは皮を破らず、細かな筋の繊維を取り除く事です
竹串やスポンジ、ブラシまたはキッチンペーパーを駆使して丁寧に行います、地味ですが一番重要な工程になるので昔の型抜きお菓子みたいに全集中して楽しみましょう
栗の状態や大きさにもよるのでどうしても取れないようなら、もう一度重曹茹ですることも考慮します
鬼殻を剥くときに傷が付いていると、この時に実が煮崩れてきますので最初から際まで向かなくていいです、渋皮の袋で守ってくれます
味付けと仕上げ 作り置きの保存
さあ、味付けをして仕上げましょう、今回の分量はお菓子用に使うだけでなく料理人のひと工夫料理の為に控えめな甘さです、薄蜜(うすみつ)と呼ばれます
栗の味を楽しむための分量(カロリーも気になりますからね)
- 水 2000cc
- 三温糖 500g (無ければ上白糖・グラニュー糖でもOK)
- 塩 5g
- ブランデー 大さじ1 (好みで仕上げに加えます:甘味が締まり大人味になります)
(1回目)平たい鍋に1、2を入れ火にかけます、20分程コトコト炊いたら火を止めて自然に冷ましていきます、ガスコンロから外して置いてもいいです
冷めて触れるくらいになれば再度火にかけます、(2回目)更に20分程度炊いてまた自然に冷ましていきます、これは冷える時に甘みが浸透していくのでそれの作業になります
(↓他の料理にも言えることなので別記事のリンクも参考にしてみてください)
3回目は3の塩も入れて炊き直して、火を止める時に4、ブランデーを加えます
これまた自然に置いて、粗熱が取れたら氷でしっかりと冷やします
出来上がりです、お疲れ様でした
食べ方色々/栗の葛豆腐レシピ
さて出来あがった物を何で食べましょうか?
もちろんそのままでも良いですし、ケーキや羊羹、デザートにも使えますが
料理屋さんは天ぷら、串揚げフライや南瓜や薩摩芋の代わりに煮物、胡麻味醂焼きにして焼き物のあしらいなど色々使えるので甘味を抑えたレシピにします
栗の葛豆腐
- 吉野葛 55g
- 昆布出汁 650cc
- 塩 5g
- 栗の裏漉し 180g
- 料理酒 20g
併せて鍋に漉し入れます、火にかけてうっすら透明になれば20分ほどしっかり練ります
流し缶に流し入れて冷やし固めます、次の日に切り出せるくらい締まってるので前日に作っておきます
もちろんデザートだけならしっかりした味付けは肝心ですが、健康ヘルシーな日本料理なのでこれぐらいがワタスのおすすめです
今回もありがとうございました、ではでは
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