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守破離の「離」に向かってる料理人ですW
今回は料理の派生について私なりの料理理論を記事にしています
「レシピ」・「分量」・「割り」など色々とありますが、これはどのようにして組み立てられるのかを、今日の料理を例にまとめています
世の中にはいろんな調理法や工程、又、分量があり今やネットに溢れており、これらを参考にすることもあると思います
料理人(特に若い料理人の皆さん)として大切なことはやはり経験と探究心であり、そして失敗です、失敗というと聞こえが良くないですが、自身も満足しお客様に喜ばれた事(料理)が一つの条件でもあると考えています!
そしてこれらが我々の原動力です
栗の豆乳寄せ🌰
レシピの考え方(思いつき方)
今回は初めて作る料理でもあるので完全オリジナル!
まず季節の「栗」を使った前菜の一品で何を作ろうか?です
単に栗豆腐を思いつき、「葛練りしよう」かと考えました、常の通りにして仕上げても良かったのですが少し円やかな印象にしたいと思いクリームを入れようかとも思いましたが
少しコクがキツと思い、結局栗豆腐だけに「豆乳」を採用しました
栗の味を豆乳で円やかにしてくれるかなーっと期待しながら・・・
そして調理工程ですが気を付けるところが一つあります!
豆乳は火を入れすぎるとモロモロとした感じになり分離するので、これを回避するために加熱時間を調整しないといけません(豆乳鍋とかしてもモロモロとしますよね?これはこれでいいのですが)
豆腐というなら、口当たりが良いのが一つの条件にもなると考えます
そのため吉野葛本来の凝固力だけでは足りず固まりが弱いのでゼラチンで補いました、我ながら一回で思うような状態に近づけるとこが出来たので楽しかったですW
ほんとは下記の分量より葛粉が5g少なかったのですが、レシピ化で調整しました
基本分量レシピ
- 豆乳 200ml(成分無調整)
- 鰹出汁 200ml
- 吉野葛 25g
- 栗 150g(茹でて裏漉した物)
- 板ゼラチン 1枚(3g)
- 塩 少々
- 味醂 1斥(18cc)
- 薄口醤油 仕上げに香りで少量
・上記1〜3までを合わせ漉したのち鍋に移します
・火にかけて、胡麻豆腐の容量で練り上げていきます、火加減は中火の弱め程度に維持します
・とろみがついたら4を加え泡立て器などで満遍なく混ぜ合わせ、5、6、7を入れて味を整えます
・火を止めて水で戻したゼラチンを加え素早く混ぜます
再度網などでに通しながら流し缶に入れていきます
・気泡が残りやすい濃度の為、流し缶の底をトントンしたり、箸などで表面の気泡を潰しましょう
・水の霧吹きをしてラップをします(乾燥しすぎ防止の為)
これで通常の胡麻豆腐ほどの硬さになります、一晩落ち着かせれば切り出せるほどに締まってくるので器に応じて切り分け盛り付けます
天盛りに彩りや・香り・味のアクセントなどを盛り付け美味出汁(鰹だし8:薄口醤油1:味醂1:追い鰹)を適量かけて完成です
さあ、基本とか言ってますが、これは私の考え方の基本です、これを派生するというか他の料理に応用するためにはどのように考える必要があるかですね
次項に記載している例ですが
同じようなものを使ってそれぞれの完成させるには足りない所を補わないといけません
(・・・・)で書いてみましたのでこれを補うための食材・または調味料を探さなければいけません
さてなにをあなたなら、加えますか??
というのが楽しいですね、そして新たな料理というのが世に出ていきます、料理のPDCAを回して経験を積み上げましょう
提供料理例
1、先付:栗豆腐 栗の豆乳寄せ
(上記の基礎ですね)
2、椀物:栗葛練り 栗餅
(提供時に熱が加わるので形状を保つが条件、且つ箸でも口に運べる強度を考えます)
→豆乳を最後に加える事、そして葛の量を増やして調整してみましょう、また餅粉や卸し蓮根のような澱粉で補うなどしてもこれが可能になります
3、煮物:栗餡掛け
(炊き物にない甘味を加え且つ、全体の味を纏めてくれるような円やかさがない物に採用する)
→茄子の揚げ煮 栗餡掛け等
4、焼物:栗の伝法焼風
(伝法焼はそもそも味噌ベースだがそれよりあっさりとしてるので、所謂「食べる栗味噌」を目指すように整える)→食べるというくらいなので焼き栗に寄せていきましょう、単に栗の裏漉しを増やしてもいいですし、栗自体をコロッと足すといいでしょう
5、蒸物:栗の豆乳蒸し
(白身魚系では胡椒系のピリッする、またコクのあるように持っていけます)
→先の基本ベースに白玉を加え「栗白玉」にしても面白いですね
6、甘味:栗豆乳プリン 栗のクリームゼリー
(しっかりした味付けと盛り付けへのこだわり、これまでの料理のバランスも考慮し、あとを引くように持ってくるのか、さっぱりとお茶を飲むかのようなスッキリさを選びましょう)
→甘味を増やして味付けを明確にする、リキュール系のお酒を加え甘味をまとめる、クリームを合わせるなど
このように色々な料理経験があると「この味にしたいから」、「このように提供したいから」などを考えることが出来ます
ですがあくまで基本調理「守」を知っていたり、何度も経験し「破」してから、ぜひ「離」に向いて欲しいいと思います
では、また
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