お店においては冷凍マグロを使用するところもあり、褐変したり、ドリップが出てしまったりと上手に扱えないこともあります
今回はそんな悩みを元に、私の経験を合わせた「状態よく柵の鮪を解凍する方法」を簡単な記事にしています
鮪の水分量を上手くコントロールする!
そもそも、何故?色が変わってしまい、ドリップ(水分)が出てしまうのかを知っておきましょう!
【ドリップの原因は?】
・凍結時、元から鮪に含まれる身の中の水分が氷結晶化することで、細胞を壊してしまい、タンパク質の性質が変化して保水出来なくなってしまうからです
【変色の原因は?】
マグロやカツオの赤身の正体はミオグロビンというたんぱく質色素です、これが酸化する事で褐変と呼ばれる現象で茶色くなり味も香りも落ちてしまいます
また、このミオグロビンはー50℃以下でないと変色を止めることができないので、家庭ではもちろんのことホテルなどの調理場でもなかなか対応するのは難しいです、2、3日ならー30℃程あれば保存可能もですが中途半端な冷凍庫ではこうも行きません
冷凍マグロでも、切り出しの直後は濃い印象の赤黒っぽい感じがしますが、最初の酸化で鮮やかな色に変化します、この頃を狙って提供できるようにするのがベストですね
その為、塩を用いて浸透圧を利用した方法が有効になります
最初に塩水で処理をする
厚さ2cm程度の柵鮪の場合
1、海水程度(3〜4%)の水を用意してから、柵の表面を洗って解凍する
(この後2分ほど漬け込みます)
2、袋などに入れて流水解凍(つけすぎると表面が白っぽくなってしまうので、一度取り出し、水分を拭いて袋に入れ流水に当てる)
3、20分もすると80〜90%は解凍できてくるはずなので取り出して、再度キッチンペーパーで表面の余分な水分を拭きます(※柵の芯が凍ってそうなら完全に解凍するまで待ちましょう)
4、平バットなどに先の柵マグロをペーパーで挟んだ状態で冷蔵庫に入れて風干しをします
(ラップはせずに入れて、水分を落ち着かせます)
5、さらに10分もすると切り出せる状態になるので約40分くらいで終了します
少し乱暴な扱いとも感じますが当日中なら問題ありません
先のミオグロビンの進行で変色の原因になるのは「-10℃〜0℃」
そのためこの温度帯をいかに早く通過するかが原理になります、先の3の見極めが肝心です!
とはいえ、冷凍に関しては切り出してからのドリップは若干あります、すぐに提供するのなら問題ありませんがお造りや寿司ネタにするとなると↑このようにした対策も有効です
さらにどうしても使いきれない場合は漬け鮪にしてしまうのも良いですね
- 薄口醤油 :1
- 煮切り酒 :1
- 煮切り味醂 :1
これに柵ごとなら漬け込み、切り身なら潜らせる程度で処理すると次の日でも和物や巻芯・丼ネタに使えます
決して難しくは無いですが、状況と理由と条件を知っておくとイザと言うときに物を言います
失敗ばかりしてきたので経験論と科学的な事を勉強すると至極納得し、自信になるものです
それでは!
コメント