プロが教える仕事シリーズ
この記事では「殻付き銀杏」の処理の仕方と保存方法、緑色と黄色の違いをサクッと簡潔に
まとめています
銀杏の天ぷら、茶碗蒸し、土瓶蒸し、煎り銀杏、飛龍頭(ひろうす)以外にも銀杏豆腐や餅銀杏という料理も料理屋さんは作ります
緑色の銀杏は8月頃に出回るいわゆる未成熟の「新銀杏」が緑です、実に含まれる緑色成分の
クロロフィルという成分が多いため黄色っぽくても加熱すると鮮やかな緑に変化するからです
料理屋さんではこの色を生かして翡翠銀杏とし、献立に採用します
季節が進むと公孫樹(ワタシの使い分け:葉を指すときはこの字を使います)の葉も色変わりして来る頃と同時に実が熟し黄色になります、この時の銀杏がよく見る黄色い銀杏という事です
併せていくつか銀杏レシピも紹介します
難しくないのでぜひ作ってみてください
下処理と水留め
塩2%を加えた昆布出汁を作り冷やしておきます
(一度沸かして火入れをしておきましょう)
まずは水洗いをします
販売されている物ならまずまずの大きさがあるのでヤットコの窪みを使います
パキッと高めの音がして合わせ目が開きます
(季節の音ですねW)
ヤットコが無ければ包丁のみねで繋ぎめを上にして軽く叩いても良いですし、ペンチでも出来ます
先に作っておいた昆布塩出汁を銀杏が浸かる分だけ漬けて、一晩つけて下味をつけておきます
(残りは後に取っておきます)
煎り銀杏の時はこの状態で空炒りします、
昆布塩に漬けることで下味がついているのでいる終わると、そのまま食べることができます
(紙封筒に入れて電子レンジでも良いですが火が入り過ぎてしまいムラができるので個人的には
おすすめしません)
次の日に笊(ざる)などで水切りして殻を外して茹でます、この状態で細い銀杏串に刺して天ぷらや茶碗蒸し、土瓶蒸しに使います
そこが平たい鍋に昆布出汁ごと入れて火にかけます、加熱して茹でる時に、同時作業として薄皮を剥がします
穴あきの金貝か穴あきのお玉
(レードル等でも良いです)
これの底で優しくコロコロとなで回します、薄皮が剥がれてくるので茹で上がりまでになるべくやっておきましょう、
透き通った感じになれば茹で上がり簡単ですね、
水に落として取りきれ無かった薄皮を剥いて綺麗な昆布出汁に浸けて冷蔵庫で保管
(3日くらいは持ちます)
飛龍頭に入れたり、焼き銀杏、あえもの、
銀杏ご飯などに使いましょう
どうしても使いきれない時は冷凍するのが最終手段です、冷凍焼けの防止の為に昆布出汁ごと
冷凍しましょう
餅銀杏(レシピ)
- 銀杏 100g
- 餅米 20g
- 鰹出汁 400cc
- 薄口醤油 塩 少々
- ぶぶあられ 食べる時に適量
(香り付けにもなります)
洗って軽く砕いた餅米を前日に浸水しておきます
銀杏と共に鍋に入れてコトコト炊きます、粘りが出るので焦げないように火加減に注意しましょう
餅米が柔らかく戻れば出来上がり
醤油と塩で味を整えて完成です
温製ならぶぶあられを振ってこのまま一緒に食べます、冷製で提供する時は餅米が固くなるので
分けましょう
銀杏に澱粉を含ませることで、銀杏がお餅のような食感になります
ひと手間加えると違う印象になるので楽しんでみましょう
銀杏豆腐(レシピ)
- 昆布出汁 900cc
- 生銀杏 150g
- 吉野葛 70g
- 日本酒 40cc
- 塩・味醂 少々
しっかりと練り上げて食感をよくします
しっかりと練り上げて、流し缶(15cm角)に流し入れて、表面に落としラップして冷やし固めます
90分もすれば切り出せて提供できるので、冷蔵庫に入れない出来立て感が値打ちです
余談小話
大阪の御堂筋という大通りには
公孫樹の木がたくさん並んでいます
季節になると実をつけて毎年取ってもいいのか
論争がある物です、と言うのもそもそも
当時の職員さんが雄の木と雌の木を間違えて
「植樹してしまったから⁉︎」だ、そうです
雄の木なら実をつけないのですが、拾いにくる人も多く今では御堂筋の秋の風物詩と化しています
では今回もありがとうございました、
それでは
コメント