いまさら聞けない土鍋炊きご飯!「お米の炊き方」浸漬と水分量の基本

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Bird's Eye View of River in Middle of Green Fields 情報

長く料理人をしていると必ずあるご飯の水分量のミス😭

昨今の炊飯器の技術進歩は凄まじく、炊飯器にミスは無いものの硬さの好みが生じます

今回の記事は日本人の主食でもある「ご飯」
多くある炊き方に関する記事とは少し違い、料理人の経験から「あるある」をもとにまとめています。ホテルや旅館、その他の飲食店で起こり得る状況に備えて知っておくべき知識でしょう

基本的な知識

Close-Up Photo Of Rice Plains

こちらはどのサイトでもよく紹介されるお米・ご飯に関する事です
わかりやすいように箇条書きで連ねます

  • 洗米時の最初の水はすぐ捨てる(さっと底から混ぜて捨てる)
    スポンジなどのように最初に触れた水分がメッチャ高い吸収率だから
  • 研ぎすぎない、押さえつけない
    (精米の技術も上がってるので研ぎすぎて香りが失われる・お米が割れるから)
  • ザルで洗わない・研がない  (ザルの目に詰まってお米が割れるから)
  • 浸漬は最低30〜1時間(しっかりと吸わせることで中心にも水を行き渡らせる)
  • お米1合は150g
  • 炊き上がりは平均2.2倍の重量になる(1合150g→約330gのご飯)
  • 炊飯器の目盛りがわからない時①指の第一関節が目安(人によるでしょって・・)
  • 炊飯器の目盛りがわからない時②掌をつけて手の甲が浸かるぐらい(なぜか抵抗がある・・)
  • 計量カップより計量器で量ること 等々・・
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さまざまな環境と状況、この場合はどうなのか?

思いつく疑問

夏場は30分、冬場は1時間の違いは何かとうい疑問
結論→水の温度が違うから
以下にも関連する項目が出てきますが、水の温度によって吸収するスピードが違ってくる為このように時間差が必要になります。夏場は水道水が温かめなので吸収が早くなり冬場はこれと反対になります

夏の温い水で洗うのと冷水で洗うと後にどのように影響するのかという疑問
結論→冷たい水の方が良い
理由としては初めに接触する水が一番吸収するから、糠臭さも一緒に吸収してしまうため、また水の温度で吸収スピードも違うためなるべく避けるべきである
一方、近年の精米技術向上によりあまり洗わないという料理人もおられます、香りが飛んでしまうからという理由です

浸漬時間の水は冷たい方が良いか常温がようのかの疑問
結論→2時間以内なら浸漬状態に影響あり
温度によって吸収スピードに違いがある、常温から暖かめの水の方が初めの30分での浸漬率が大きく変わります。細胞レベルの検証によると冷たい水の方はお米が締まる為に吸収が遅くなるが2時間を超えると飽和する

漬けっぱなしで忘れた場合は丘上げかそのままかという疑問
結論→冷たい水につけたままにする方が良い
2時間以上の浸漬状態なら水吸収は飽和状態なので変わらない、もしザル揚げなどしておくと調理場の状況によっては乾燥によりお米が割れてしまう恐れがあるので避けるべきである。
また衛生面の懸念があるので冷たい水を入れて冷蔵庫で保管すること
さらにお米表面が崩壊して、でんぷんが失われる状況は水が温かすぎる為です

他サイトの検証実験による根拠→こちらのサイトを引用

お米の総量にも言えるところですが2合や数人前ならハッキリと違いが感じられないが大型店舗にもなれば2升や3升を扱うこともあります、そうすると炊き上がりに大きく影響してしまいます

また季節ごとのさまざまな環境にも気をつけましょう

温度による水分吸収の詳細データや根拠は他サイトの論文をもとに引用→こちら

あるある状況

上記のようにご飯に関する情報は多く出ていますが、この項では調理場でのあるある状況をもとにまとめています、困ったときの参考になれば幸いです

お店などで前日に用意してあった浸漬済みのお米に量に記入が無く何合かわからない😔

ケース1:
水に浸かっているなら一度ザルに上げて水分を切ってから計量→飽和状態に浸漬していればお米1合は約200gになります
(水切りにより誤差あり)
これでおおよその合数がわかります
(例:3kgあれば=1、5升)

ケース2:
5合と記入があり調理ポット等にスタンバイ状態ではあるが、水分量が合っているか謎問題・・・
→炊飯器の内釜等を計量器に乗せ「0に風袋調整」して水とお米を入れ約2kgならそのまま水分量は合っています
お米5合は750g→浸漬後は約1.33倍の998g程度になるので、浸漬米の基本とされるおよそ1kg(1000cc)の水が必要になる、その為2kg前後なら水の量は適性と言えます(若干柔らかめです)

浸漬米を分けて炊飯するようになった時の対処

浸漬済みの洗い米を一人用釜で炊くようになった場合

A table with a bowl of salt and a spoon

先のケースを元に計量すると、一人釜に100g(約7斥)取り同じく水を同量の90〜100g(90〜100cc)入れて炊きます、これで茶碗約1.5杯分になりますが、土鍋釜の場合は1割り増しにする方がお勧め、蓋が完全でない場合もあり水分の蒸発状況も変わり炊き上がりに影響します

このように1合の飽和浸漬米は200gと覚えていきましょう、それに対する水の量は180〜200ccも覚えたうえで炊き込みご飯にいきましょう(寿司飯用には柔らかすぎて不向きになります

炊き込みご飯の出汁の量

結論
飽和浸漬米1合:出汁180cc

基本的に水分量は同じです、料理屋さんでは炊き込みご飯用にあらかじめ作った出汁を用いいます
物にもよりますがおおよそ14〜16杯の合わせ割りでした

何よりもしっかりとお米の中まで浸漬させておくのがポイントです、皮付き鶏肉や養殖の鯛飯など油分があることで出汁の吸収が邪魔されてしまいます、これが不十分だと芯の気になるご飯になるということです

もう一つ気をつける点
一緒に入れる具材です、大根、人参、蒟蒻、薄揚げ(油揚げ)、牛蒡などの五目かやく)ご飯の場合は牛蒡のアク抜きのみが注意するところでしょう

そして先ほどから何度も水分量のなので薄々気づかれるかもしれませんが、要注意なのはきのこ類です!秋頃になるとキノコご飯が喜ばれますが新鮮なきのこ類は80〜90%が水分のため生のまま炊き込むと余計な水分が加えられてしまいます

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失敗しない方法の2通りを紹介します(家庭では手間なので料理屋さん向けです)

①出汁量の調整をする
炊き上げるご飯の量にもよりますが多くなる程に水分量が読み難くなんとも綱渡り仕事になります
8合以上になるときのこの状態に左右され思い通りの硬さにならないかもしれません
経験上理論で出汁の量を0.8〜1割減らしての炊飯が無難です

②きのこを先に焼いちゃう
これは水分を先にコントロールしよう作戦になりますが利点もついてきます、焼くことで旨みの凝縮と香りの向上、食感のアップにつながり炊き上がりにご飯の上に盛り合わせることで演出効果と映えが期待できます、そして出汁が薄まらない!

また具材が多くなれば炊飯時のお米の対流で具材にお米がからみ芯が残るきっかけにもなります、以上を踏まえて後者②が非常におすすめです

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続けて読みたい→お米がご飯に変わる瞬間「煮えばな」とは

プロフィール
在ドイツ公邸料理人
kawablog

日本料理歴25年以上の経験をもとに、ブログを通じて日本料理のコツなどをお伝えします
兵庫県出身 高校を卒業し大阪のホテルでの修行後
2020年11月よりドイツの公邸料理人として4年間赴任

若い日本料理人向けに専門的な季節料理の記事やアレンジレシピ・考え方や由来なども含めた記事にしています

また当時のベルリン生活の状況や観光情報も私なりの解釈を含めて紹介
していますので楽しんでもらえれば何よりです

ご意見やご指摘、わかり難い記述等がありましたらコメント欄から指摘をお願いします

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