今回は純日本食材の「高野豆腐」のひと手間レシピを紹介します
この記事は、日本料理の煮方仕事のひとつ「含ませ煮・含め煮」という調理法を紹介します
料理的には春やお祝いの席よく用いられると思います、至ってシンプルな作業行程ですが入れるものを変えると四季折々の焚き合わせに転用できますし、切り方の方向を考るなどして盛り付けると見た目が華やかになります
基本のいち調理法として採用してみてください
叩き海老と高野豆腐重ね煮(博多煮)
高野豆腐とは
不要かもですが、いつものうんちくをサクッと書いておきます
800年以上前の時代は鎌倉の頃
元は「凍り豆腐(こおりどうふ)」と言われていました、冬の保存食の一つとして高野山の僧侶によってつくられた、精進料理食材です
これから高野豆腐という名前になりました
標高の高い高地の環境の為、水分の多い豆腐が作用しスポンジのような状態になった偶然が生んだ産物です、言われにはいくつかありますが地域においてどれも有力な言われの為、どれも正解と思います
各地の僧侶が集まり広めしたことで全国的には今日の「高野豆腐」というところでしょう
「凍み(り)豆腐(しみ・こおりとうふ)」「一夜凍り(いちやこうり)」「連豆腐(れんとうふ)」「ちはや豆腐」という各地毎の名称もあり冬場の貴重なタンパク源食材としてつくられていたというもので、保存食や戦の遠征の際には兵糧食としたとも言われます
作業行程
今回は日本の高野豆腐を牽引する大手旭松さんの「あさひ豆腐」を使い通常の食事用として作りました
まず常の通り先に高野豆腐を炊いておきます、味付けはお吸い物より濃いめで、味醂で甘味を加えます
中のタネは海老と白しめじを採用(冷蔵庫に残ってたもの)以下レシピ↓
- ブラックタイガー海老 70g
- 白しめじ(ぶなピー) 20g
- 玉葱 40g
- すり身(無くてもOK) 30g
- 卵白 1個分
- 味付け塩・胡椒 少々
- 片栗粉 高野豆腐に軽く振りかける程度
- 薄口醤油 少々
①海老をぶつ切りにしてから荒めに叩いて食感を残すようにします、また海老の粘りも重要です、叩く際に塩と料理酒を少し加えることで粘りが出ます
②玉葱はみじん切りしてサラシに包み塩揉みをして、水分と臭みをとっておきます
③すり身と卵白と馴染ませて、先の①・②と1cm程に切った白しめじを合わせてさらに練りまとめます
④ここで下味の塩と胡椒をややしっかりめにしておきます
高野豆腐を一度出汁から揚げて軽く押して水分を抜きます(含んでるけど流れ出さない程度の保水量を目安にしてください)
半分に切り分けて両面に片栗粉を薄く塗します、ギリギリ溶けきる程度が目安!
海老のタネをたっぷり挟んで蒸し器で15分(85℃迄!全開で蒸しあげると膨らんで歪みます)
蒸しあがれば先の合わせ出汁に合わして、軽く火を入れます
最終的な味を決めましょう、甘めが好きな人は砂糖を加えてください
薄口醤油を少し入れて完成です
味にパンチが欲しければ柚子胡椒を溶き加えると味が締まります、なければ普通の黒胡椒でもいいです
冷めたら切り出して盛り付けし、温め直して召し上がれです!ちなみに料理屋さんなんかでは海老のすり身に紅を少し入れて桜色にするのが定番です
また、人参・絹莢・木耳の千切りを入れることもありますが、今回はあえて自然色で白く仕上げています、切り出すと所々に海老の赤色がチラホラ見えます、これはこれで綺麗です
中具のアレンジ
高野豆腐自体は淡白なので、今回のように海老や鮭、烏賊などの海鮮系の挟み煮があっさりして基本ですが、鶏ミンチや豚ソボロ等をベースにしてハンバーグのような食べ応えを持たせるとメイン料理になります
ニラや椎茸の個性の強いものと豚肉(合挽肉もOK)合わせて高野豆腐餃子仕立ても面白いと思います、
その際は高野豆腐をいなり寿司の揚げみたいに三角・四角の袋状に切って具を詰めて使いましょう
調理工程は全て同じで中身の応用です、好みのバリエーションを楽しんで得意料理にしてください
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