日本料理において薬味の代表格ネギ(ねぎ・葱)!
うどん、そばをはじめポン酢や醤油とどんな物とも合い、相乗効果をもたらしてくれます
この記事は、そんなネギを使う時の悩みを解消するためのひと手間をお教えします
まずネギの3大代表品種に関して知っておきましょう(農林水産省サイト参考)
種類のおさらい
さて、一口にネギといても種類もさまざま
関西では京野菜で代表的な九条ネギがあることもあり「青葱:葉ネギ」が好まれています
一方、関東では加賀群と千住群と言われる「白ネギ:長葱」が好まれる傾向にあります
日本料理を始める若い料理人の皆さんはこれ以外の品種も知識として少し知っておきましょう
馴染みは少ないでしょうが、青葱は葉ネギという品種です
関西圏でネギというとこの青ネギのことを言います、何も言わずに「ネギ買ってきて!」と言うと関西人は青葱を買ってきて、関東圏の人は白ネギを買ってきます(笑)ホントですよ
そしてこの葉ネギを若い時に収穫すると万能ネギ(実はこれ商品名なんです)・細ネギとして販売されています
一般に日本のスーパーなどで見かける白ネギですが正式の名前は「千住ネギ」と呼ばれ、東京足立区を中心に作られた江戸伝統野菜なのです
浅葱(あさつき)
実はこれ、ネギの品種ではなく独立した種類です、強い辛味が特徴で冬から早春にかけてが旬とされる山菜部門に属します(山形県では伝統野菜が有名)そして料理屋さんやふぐ料理に欠かせない
でも年中あるますよね?に関してですが先の葉ネギで代用されているだけです
分葱(わけぎ)
これもよく見かけ青葱との違いがイマイチはっきりしない種ですが、これはサクッと言えば玉ねぎとネギの雑種なのです、球根栽培なので根本がぷっくりしており、青葱より辛味が少なく甘味が強いのも特徴です(広島県尾道が有名)
赤ネギ
これはあまり見かけないかもですが「道の駅」とかでは比較的販売されています
ネギの普通は白い部分の葉鞘(ようしょう)が表面だけ赤くなっていることが特徴ですね
代表種は
「平田赤ネギ(山形県庄内地方の伝統野菜)」
「レッドポアロー」茨城県水戸地方
「ひたち紅っこ」茨城県
とあって、辛味が強いので加熱調理が基本になります、赤みを生かす為に調味料にお酢を使うと酢酸の効果で赤みが強くでます
下仁田ネギ
一度は聞いたことあるネギでしょう、殿様ねぎとも言われますね
名前通り群馬県下仁田町が産地です、太いですが短く白いとこだけを料理します
リーキ(ポワロー)
ポワロー(フランス語)リーキ(英語)
もともと輸入ですが国内でも少量ですが静岡県産があります、先の下仁田ネギのような形状ですね
葉は分厚く、味は白ネギよりもまろやかで加熱するとトロッとした食感が特徴
ざっとこの7種の違いと特徴は知っておきましょう
ぬるぬるの正体
そして本題のぬるぬるですが
白いゼリー状のものは、ねぎに含(ふく)まれる粘質物(ねんしつぶつ)と考えられます。
農林水産省HPより引用
ネギ類は一般(いっぱん)に、量の多少はありますが、ゼリー状の粘質物を含んでいます。
特に抽台期花茎(かけい)の急な成長期のねぎでは、花茎や葉中の部分に多くの粘質物が集積します。
この粘質物は、セルロース、ヘミセルロース、プロトペクチン、水溶性(すいようせい)ペクチンなどからなる多糖類(たとうるい)の複合物(ふくごうぶつ)が水の存在(そんざい)でゲル化したものに、フラクトース、グルコース、シュークロース、フラクトースオリゴサッカライド類の糖類が含まれています。
と書かれてますが?!
つまりは栄養分です!そのため問題なく食べれます、むしろ食べるべきものです
これは「フルクタン」と言われており、この粘液には、免疫細胞を活性化する効果があると期待されます
そのため食べても問題ないし、栄養満点でむしろ食べるべきなのですが・・・
わかってるのですが・・・「ごめん、フルクタン君」
薬味や料理の天盛りの際には無い方が綺麗に仕上がって完成するのです!
※対策と対処法
結論1:対応としては洗い流してしまいしょう!!
結論2:対策として冬場のネギはフルクタンが多くなるので回避しにくい
まず結論①
切れる包丁で繊維を潰さずに切るっことが前提です!
ザルやテボなどに入れて水道を強めのシャワーのようにして当て、ヌメりを流してしまいましょう
水溶成分もあるのでこの作業の場合は短時間で行い、後に水で晒すという作業はしません
薬味の際などでは色味と香り、そしてネギ特有のシャキシャキが欲しいわけなので分かっててこれを行います、そして水気をしっかりと切り2〜3日保管が可能になります
そして結論②
そもそもネギは冬が旬!
冬場に凍ってしまわないように自身の不凍対策として先の「フルクタン」を貯めこみ防衛します
そのため生命力がみなぎる時期が俗に言う「旬」ですね、野菜に限らずですが!
その食材が美味しいと言われる時期のことです、その為冬場に回避が困難になります、新鮮な証拠とも言えるがために
で、対策は使用する品種を変えましょうになります
浅葱・やっこ葱(これは高知のブランドで商品名です)・ハウス万能ネギ等
まとめ
食べても問題なくてむしろ栄養価の高いネギの「ぬるぬる」
これがあるときはもったいないですが傷まして『食品ロス』するよりかは高水圧を持って流しましょう
時期により使用する品種を変えるなど葱の知識を持って対処することは可能です
食材の見分け方や使い方・処理や保存の方法・時期や産地などによってさまざまな状況に対応することが料理人には肝心だと考えます
自分の理由や考え方を持った上で正しく行うことは、間違いでなく「やり方(スタイル)」なので見聞きして視野を広げましょう
おまけと小言
ヨーロッパ数カ国のスーパーを見ましたがほとんど↑上のような青葱が並んでいます
初め見た時は「先は?どこ行ったの?」が印象でした、理由は今も分かってませんのでご存じの人は教えてください🙇♂️
そして白ネギ(長葱)は普通に売ってません(泣)日本が食材豊かなのを改めて感じます
ベルリンで日本食材が買える店舗はほんとに限られます
そしてこの「白・青(緑)」品種問題ですが、栄養価的には青い方に大体軍配が上がります!
ドイツでは春のシュパーゲル・ヴァイス(白アスパラガス)が有名ですがこれもグリーンアスパラガスの方が栄養価が高いなど、太陽による光合成の恩恵によって変化するのですね
(そのほかの軟白野菜例:独活・白芋茎・アンディーブ・黄ニラ等々)
こうして少しずつ知識と経験をアップロードしていきましょう!
ではでは
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