寒さも増し、山も紅葉の色付きが目立ち、冬深くなる頃に「冬至」を迎えます
ご存知の方も多いでしょうが、1年のうち一番昼が短くなる日のことですね
この日からまた少しづつ日照時間のバランスが変わってきます
節目の二十四節気なので日本料理人は知っておきましょう
さて、この「冬至」といえば、柚子とかぼちゃが登場します
ではなぜ、柚子とかぼちゃなのか??
冬至に柚子
日本料理の確立とされる江戸時代から明治時代に料理名や食材名のいわれが多く存在します
黄柚子の収穫はちょうど11月から12月初めにかけて行われます
柑橘系の代表的な栄養でもあるビタミンCや血行を促進するといわれるヘスペリジン(フラボノイド)などが柚子の皮に含まれこれらは、風邪の予防や保湿にいいとされます、先人の知恵として体感的に健康に良いことを知っていたので受け継がれたのでしょう
もうひとつ面白い記事で江戸時代「東都歳事記(とうと・さいじき)」と言われる天保9年(1838年)に出された年中行事が載っている本には「冬至 今日銭湯風呂屋にて柚湯を焚く」との記載があります
「冬至」を「湯治」に置き換え
「柚子」を「融通が利く」と言葉遊びのようにお風呂屋さんが始めたとされています
(THE商売人ですね!)
粋と言われる江戸っ子の人々の競い合いやこういう洒落の効いたエピソードは他にもあるので面白いですよ→参考サイト
冬至にかぼちゃ
今では冬至といえば=「かぼちゃ」というくらい根付いてますが、なぜかぼちゃになったのか
「かぼちゃ」はそもそも暑い国の野菜!
夏から秋にかけて収穫され、出荷まで数週間をかけて追熟ののちに発送されます
このようにカットさえしなければ、2~3カ月も保存することが可能な野菜
ご存知の通り、カロテン、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンC、ビタミンEに加え、食物繊維をたっぷり含んだ緑黄色野菜
昔は今ほど管理された環境では無かったので、この頃になると新鮮な野菜が少なくなる時期でした
冬を乗り切るためにも、この節目にかぼちゃを味わって栄養をつけようとしたのが現在に繋がっています
資料文献などの記述はないですが、明治時代以降に生まれた少し新しい習慣だとか
この他にも、小豆の入った「冬至粥」や蒟蒻、ドジョウ、はたまた餃子を食べる習慣までもが各地にあるので地位域ごとにも色々あるようです
今では、ハロウィンの方が南瓜のイメージですけどね😅
今回のレシピ「ブロッコリーと松の実の冬至和え」
エビス南瓜を使用しています
ゆず釜に盛り付ければ完璧なんですけどね!!
- ブロッコリー 150g
(通常より小さめの房に切り分け塩茹で、もしくはレンチンします) - 熟れた南瓜 1/4個
(見分け方は皮の黄色くなっているところが果肉の色なので深い色味の物を選ぶ) - 松の実 20g(炒って香りを出します)
- 練り胡麻 (裏漉し南瓜の味を整える為・なくてもOK)
- 飾り用人参 (紅葉でも霰切りでも小線でもOK)
- 砂糖・薄口醤油 (調味用)
今回、かぼちゃは2種用意しました、あられ切りにしたものと、裏漉し用とです
どちらも蒸して柔らかくしておき、アラレかぼちゃの方は天火で焼き色がつく寸前まで炙りました、これによって「ホクッ」とした食感を加えました
裏漉しの方は余計な水分を飛ばすため、鍋で軽く練る、もしくはレンチンを何度か繰り返して団子に取れる硬さを目安に仕上げましょう
松の実の代わりはカシューネッツや剥き胡桃、アーモンドなどでも良いですが、癖がない松の実が一押しです!
材料が全て揃ったら、和え衣から作ります
裏漉しかぼちゃに醤油加え、甘さが足りなければ砂糖を入れて馴染ませます
練り胡麻があればこれも少し入れましょう、品がある和え衣になりますよ
味が決まれば、アラレ南瓜と水分を飛ばしたブロッコリー、松の実を優しく合わせて完成です
このレシピのポイントは野菜の水分をどう上手にコントロールするかです!
しっかりと水分を飛ばしておけば2〜3日ほど日持ちしますし、お弁当にも入れることができます
かぼちゃサラダなどおいしくて良いですが、よりヘルシーな日本料理でいつもと違う料理はいかがでしょうか
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