プロの料理人が教える仕事シリーズ
教えますプロのひと手間と工夫!!
この記事では酢蓮根を作るときに黒っぽくなった時、その対処法と保存性を格段に上げることが出来る仕事を教えます
この記事で蓮根の処理に関する悩みがひとつ解決するので最後までぜひ確認してください
料理経験者の人に向けての記事ですので、要点のみをサクッと書いています
変色する理由
日本料理でよく使う蓮根、シャッキリとした食感と多彩な調理法ができるので、言わずと知れた万能食材のひとつですね
見ための姿も料理においてその価値を発揮します、乱切りの煮物、蛇籠蓮根、花蓮根、おろし蓮根を用いた蓮餅とバリエーションは先人たちの知恵のおかげです
さて、この酢蓮根に関しては白さがハレの日に灰色に黒ずんでしまうと料理の印象が下がってしまいます
そもそも、なぜ変色してしまう理由は蓮根自体の「ポリフェノールが酸化する為、またタンニンが鉄分に反応する為」です、包丁で剥いている所から変色していく経験があると思います
酢水に浸けておいても、湯がく時に酢を落としても条件によっては変色は薄い灰色になりますね
灰色・黒ずんだ時の対処法
結論:甘酢で火入れをします
これで驚くほど真っ白になります
料理屋さんではおせち料理のシーズンには数キロもの蓮根を処理しなければなりません
甘酢の分量は以下の通り(蓮根の量によって全体量を半分などにしてください)
- 穀物酢 500ml
- 水 1000ml
- 上白糖 300g(好みで調整してください)
- 鷹の爪 1本(種を除く)
- 昆布 5g程度(上記を沸かして、冷めてから差し込みます)
比較的安く手に入る調味料としてはここでコストをかけずに実際の最終漬け置きの際に、各店の割に置き換えるなどしてくださいね
その為、家庭のように一枚づつ切ったものを仕込むのではなく、「半割り」、または「花に剥いたホール」ごとを綺麗に仕上げることが求められます
そのときに数本変色が見られれば、他の料理にも影響してしまいます、その際に蓮根を鍋に入れ甘酢を全体が浸かる量を注ぎます、火にかけ沸騰させない程度で5〜10分コトコトすれば、色が抜けていきます、確認できたら急速冷却をしましょう
これはお酢と砂糖による化学変化で自然な漂白効果を熱で効率化したから(経験論です)
ヒネの蓮根はアクは強いのでこの工程は仕上がりに有効です、5月の終わり頃に出回る新蓮根はアクが少ないので通常の処理で黒ずむ事はないでしょう、炊いてしまうと新蓮根のシャッキリした食感の値打ちが無くなります
保存を高める為にすること
通常なら上記の工程でいいですが、さらに保存性を高めることもできます
少し専門的な機材も必要ですが、アナログでもいけますので二通り紹介します
①湯がいた蓮根を甘酢で真空パックにして、湯煎、またはスチームで火入れ(目安は85℃で30〜40分)します、ピンホールに気をつけて完全に冷まし冷蔵庫保管、これでひと月以上でも問題なく使えます
②ガラスタッパもしくは、ガラス瓶に蓮根と甘酢を入れて容器ごと殺菌します、温度帯は先と同じで目安としてください
金平蓮根やかき揚げネタにでもしましょう
量や大きさ、鮮度によっても条件が変わるので綺麗なら、基本この工程はしなくても良い事です
時間のある時のまとめて仕事や、若いスタッフの育成、お節料理などの大量仕込み、その他仕事の効率化や衛生面でも役に立つ事です
まとめ
アクの強い蓮根を処理して茹でた後に色が良くなければ「甘酢で火入れ」をして自然漂白をしましょう、火入れのし過ぎも蓮根の食感に影響するので最小限で行います、また真空保存しておくとさらに食材管理が楽になるので他の仕事にかける時間ができます
色んな食材の状態においても試してみてください
何よりも早く食べるが一番でもありますが、こう言ったことが他の仕事の応用になることもあります、今回は白く仕上げる事に重点を起きましたが、お酢の酸は野菜によっては赤く化学反応をさせる効果(茗荷や寿司生姜、二十日大根など)もあるので料理は本当に料理って科学ですよね
今回もありがとうございます
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