【ヨーロッパウナギで蒲焼】を作ってみた!海外では高級魚?ベルリン現地情報

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料理

こんにちは

今回は「ヨーロッパ鰻で蒲焼を作ってみた!」記事です
日本での流通がないヨーロッパ鰻が程度よく手に入ったので、日本鰻との違いをワタクシなりに紹介します
合わせて、前回の「鰻の印籠煮」の記事もよろしければどうぞ!

鰻(うなぎ)の種類と世界の料理

世界で食用とされている鰻は一般に4種類であることはご存知でしょうか?

  1. ウナギ(日本のウナギ)
    日本料理で一般的に食べられているウナギです、言わずもがなみなさんご承知のもの!
    特に「鰻丼」や「蒲焼き」などで知られています
    ウナギは主に日本や東アジアで養殖されています
  2. ヨーロピアン・ウナギ(ヨーロピアン・ウナギ)
    ヨーロッパや北アフリカ、北アメリカなどで見られるウナギの一種です。これも広く食用にされており、一部の地域では伝統的な料理に使います
    ドイツのハンブルクという地域では名物料理として「鰻スープ」があります、また燻製にして鰻のフィレやそのまま燻製なんてのもあります
    また、イギリスの東部、イーストエンド名物「ウナギのゼリー寄せ(Jellied Eels)」というのもあります、まあ日本の煮凝りのような物ですね
  3. アメリカン・ウナギ(American Eel)
    北アメリカ原産のウナギで、東海岸やメキシコ湾岸で漁獲されます
    アメリカでも食用にされることがあるのですね、現地では「ドラゴンロール」という海老天とアボカドを合わせた巻寿司なんていうのがあるそうです、見た目のビジュアルから命名されたとか
  4. ニュージーランド・ロングフィン・ウナギ(ニュージーランドロングフィンウナギ)
    ニュージーランド原産のウナギで、一部の太平洋諸国でも見られます。
    ニュージーランドでは伝統的なマオリ族の食物として重要視する一方、「神聖な生き物」としても崇拝の対象になっています。また世界最大と言われるサイズでも有名

こうして地域や文化によって異なる食べ方がされています

そしてこれもご承知の通り世界的にウナギの資源が減少している地域もあり、一部のウナギはワシントン条約や国内法による保護の対象とされています

そのため、食用にする際には地域の漁獲規制や持続可能な漁業の取り組みに留意することが重要ということになります、大切な文化と共に資源の管理は消費者も意識が必要なんですね

日本の鰻とヨーロッパの鰻の違い

さて、ヨーロッパの鰻は淡水域だけでなく、汽水域や海水域でも見られ、漁獲が分散しています
そのため、日本の鰻は比較的安定している一方で、ヨーロッパの鰻は漁獲量の不安定さがみられるという情報もあります

味の違いについては、日本の鰻は脂がのっており、特有の甘みとコクがあります
日本では「蒲焼き」などの調理法が一般的で、しっとりとした食感が楽しまれています。一方で、ヨーロッパの鰻は肉質がやや粗く、風味が強い傾向があります。ヨーロッパではスモークやパイなどで調理され、濃厚で独特の風味があります

産地はスカンジナビア半島・バルト海・地中海・黒海沿岸などからヨーロッパ全域の河川などです

蒲焼に料理!タレのレシピ

約400g強のサイズ(大きめですね)

ようやくの料理に入ります

まず、開きの工程が最大の難関になるでしょう、が意外に身が柔らかくてスッと開けました
骨などは鱧と同じ構造になっています、内臓の部分までの骨はおよそ三角形になっています

肝を傷つけないように取り除きます

背開き・腹開きとありますが蒲焼においては背開きが良いです、焼いた時に端になる腹側の身が薄いと焦げやすくなるからです

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開いたうなぎを3つに分けて竹串を打ちます、なるべく皮よりに(皮側から2割のあたり)打つのがポイントになります
今回の鰻では3本串でしています、この後の扱いに重要になるので↑写真のように一番右の串は特に丁寧に打ち込んでおきましょう、ここが持ち上げる時の親串となります(支点)

(補足情報)
海外で普通に竹串は売ってません
アジア系のお店ならありますがスーパーでは竹串ではなく、細く加工した「木串」です
そのため捻りに弱く折れるので竹の方が良いです

白焼にします
皮目はじっくり焼きあげ余分な脂を落とします、身の方は少し焼き目がつく程度まで焼きましょう
焼き上がりに少し味見・・・若干の臭みがあるといえば感じます

苦玉をとって、腸の処理をして肝焼きも少しできました

蒸しの工程で40分!
さらに脂を落とすのが目的、蒸すことで鰻をふっくらとさせます、今回のヨーロッパ鰻は特に弾力と脂が強いのでこのどちらも調整します、日本料理の引き算というやつです

鰻のタレ(基本)

  • 濃口醤油   100cc
  • 本味醂    100cc
  • 料理酒    80cc
  • 黄ザラメ   40g(上白糖でもOK)

そんなに特殊な調味料ではありません、蒲焼においては焼くことが最重要になります

串打ち3年、割き(裂き)8年、焼き一生とも言われますので焼く工程が肝心です、先の分量のタレをいかに載せるかで見た目なども影響してきます!

蒸しあがれば、かなり柔らかくなっているのでそっと扱いましょう
一度タレに潜らせてから(刷毛で塗ってもOK)もう一度白焼します、この時に身の方にしっかりと焼き色をつけます、そしてこの最終の焼き工程では皮目は焼きません(焼いても良いですが味が崩れやすいためです)少し焦げるくらいが理想と目安

全体に満遍なく焼き目を付けます

こうしてしっかり焼いておくと2度目のタレが乗りやすくなります、3度焼きして完成です
照りが足りなければもう一度炙ってもOK

肉厚の蒲焼、食べ応え十分

粉山椒を振って蒲焼の完成です
ご飯に乗せて鰻丼でもお好みで

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味の感想は・・身はふっくらとして良い感じですが、やはり少し大きいのか皮がちょっと厚くてゴムっと感がありますが一般的には上出来レベルです
よく蒸したことで初めの白焼の時の臭みは全く感じなかったです、タレも身の厚さに比べ少し薄く感じたので上記レシピは修正しています、追い掛けすれば問題なし

結果:日本同様に出来立ては美味かった!
夏のイメージがある鰻ですが実は「冬が旬」なのです
土曜の鰻のおかげで夏のイメージですが、体力の落ちる夏に売れない鰻やの主人と江戸時代の発明家とも言われる平賀源内が打ち出したセールストークがキッカケになっています
そのため冬時期の鰻の方が脂しっかり乗っており美味しいです

ちなみに今回の購入額ですが(2023年12月ベルリン)1匹=15€ほど(1kg=約33€)
ある時ない時ありますがお店も紹介しておきます

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プロフィール
在ドイツ公邸料理人
kawablog

日本料理歴25年以上の経験をもとに、ブログを通じて日本料理のコツなどをお伝えします
兵庫県出身 高校を卒業し大阪のホテルでの修行後
2020年11月よりドイツの公邸料理人として4年間赴任

若い日本料理人向けに専門的な季節料理の記事やアレンジレシピ・考え方や由来なども含めた記事にしています

また当時のベルリン生活の状況や観光情報も私なりの解釈を含めて紹介
していますので楽しんでもらえれば何よりです

ご意見やご指摘、わかり難い記述等がありましたらコメント欄から指摘をお願いします

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