【黒豆蜜煮・ぶどう豆】圧力鍋なしの基本の作り方・公邸料理人レシピ!

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暑い夏が過ぎて少しづつ過ごしやすくなってくる、この時期からおせち料理の姿がチラホラしてきます
お店の日本料理人達は忙しくなるので少し本気になります
年末に向けて、日々の仕事と並行しながらじっくりと時間をかけて準備していきます

黒豆の炊き方レシピ

黒く日焼けするほど健康でまめに働けるようにと、無病息災を願ったものです

黒豆を水でもどす工程ですが時間は1日(前の日からは)漬けておきましょう

すぐ出来るレシピとか時間とか圧力鍋とか色々書いてるレシピを見ますが24時間程しっかり漬けて浸水する方がいいんです。

購入した黒豆にもよりますが新物だと数時間で茹で上げることができるので浸水が肝心!

この時浮いてるのは虫食いなので除去します。できればヒネ(昨年の物)の方が風味が強くて美味しいです。

万能調味料の「重曹」と「」、それに還元鉄という鉄の粉を使います

これに関したは錆びた釘とか鉄鍋も有効ですが本当に黒く仕上がります
言うなら「漆黒のダーク」ってとこでしょう

カツカツとボウルとかに当たらないように優しく洗ってください(結果割れの原因になります)

黒豆を平たい大きめの鍋に入れます。水入れてから黒豆を入れます(亀裂の元になります)

還元鉄は普通に売ってないのでネットで購入しましょう(今は本当に便利・・)
今は面白い形の物もありますね、糠床に使える物でもOKですので併用しましょう

  1. 黒豆200〜300gに対して
  2. 水 2,000リットル
  3. 塩  :小さじ:1
  4. 重曹 :小さじ 1
  5. 還元鉄:小さじ:1 を入れます

重曹で皮を柔らかくし、塩が黒豆の皮がズルズルにならないように止めてくれる効果もあり、茹でた湯を捨てても豆本来の風味が残ります。

料理屋さんはいつもの仕事をしながら「お節料理」と言う巨大なプロジェクトを並行して行うわけなので、1日目は漬けるだけ、次の日は茹でるだけ、といった感じで分散で仕込みをします。

浸水後の比較

2日目に黒豆をやわらかく、おいしく煮戻していきます。この時はしっかりと管理しながらいきましょう!

火にかけて沸いてきらた厚手のキッチンペーパーで落とし蓋とします

黒っぽい泡がポコポコとしてきますがこれは重曹の反応なので捨てずに、吹きこぼさないように気を使い、沈殿した鉄の粉を回すように底から優しく混ぜて柔らかくなるまで面倒見ます。

最初の湧き出し頃はすごく吹きこぼれそうになります、危なかったら火から外して落ち着かせます。
そのうち炭酸効果が弱まってきます

2時間以上はかかりますが、浸水が充分なので逆にこの時間で茹でることができます

時間の分お湯が減るので熱々でなくていいので「足し湯」してください、水は急に温度が下がる事でシワの原因になります、豆系のあるあるです。

茹で上がりの目安はこれこそ耳たぶ位がベストです。昔の親方クラスは調理場の壁に投げつけて、潰れ方で柔らかさを見極めてました(笑)

上と下で潰れ方比較です、ネタ的にやりました
この後ちゃんと掃除して・・
ワタス
ワタス

後の工程で少し締まってくるので柔らか過ぎくらいが良いです!

柔らかくなれば放置して冷ましてから洗います、急に水につけると先の原理(温度差)でシワがよります

常温くらい冷めたら豆だけそっと手で取り出し別に用意した鍋に移します、還元鉄が舞わないよう全部取り出してから、鍋に残った還元鉄をキッチンペーパーで漉して捨てます

そのまま流すとシンクが鉄粉のサビでカオス状態になります、漉して水を流したら念のためにシンクは綺麗に洗っておきましょう

この後数回に分けて、黒豆をよ〜く洗います「これで2日目は終了
(破れた黒豆は柔らかの確認の為に味見してくださいね)

  1. そして味付け用のシロップを作ります(膨らんだ黒豆200gくらいの場合)
  2. 水 2L
  3. 中双糖(ザラメ)500g
  4. 減るので多めに作ります(それでも残ると思うので保存用に置いておきます)

昨日の黒豆を一度茹でこぼしておきます、できたらザルごと黒豆を移したいので鍋に入る金ザルが便利です、あまり触って潰さないことですね(編んだ金網ザルよりボウルに穴を開けたパンチングタイプがおすすめ、豆が傷つくので)

基本的に何時間も煮るレシピが多いですが煮込みはそんなに必要ではありません

光熱費の節約、火口(コンロ)も一箇所占拠しますし、そもそも冷える時に味って入っていくものなんです

その為、ずっと炊いてても蜜を煮詰め過ぎてしまいますし、甘味の好みが決めにくい等の理由で困ります。

柔らかくするための下茹では2〜3時間ほど必要ですが、ここからは約10分おきに手を加えるだけです

3日目はシロップで10分煮ては冷ましを繰り返すだけで充分です、繰り返すこと2〜3回したらこの日は終わりです。(破れた黒豆味見してくださいね)

4日目は同じ工程を繰り返します、そして仕上げに薄口醤油を小さじ2とあればひと手間でブランデーも小さじ1ちょい入れます、甘味に締まりが感じられ・ブランデー効果で大人な味になって高級黒豆になります(ここでも破れた黒豆で味見してくださいね)

この後の工程は保存に移ります

煮沸したジャムなどの口の大きめな瓶に黒豆を入れて、シロップをひたひたに入れる
(この時に破れているものとかを取り分けておきます、味見しても良いですし)

蓋をかぶせる程度に緩く置いて、火にかけます、沸いたらコトコト10分程待ちます

蓋を本締めして取り出し(火傷に注意⚠️)そのまま冷まして冷蔵保存します(常温でも問題ありませんが冷却はしっかりとしておきます)

しっかりと殺菌できていれば数ヶ月の保存が可能なのでお正月前に大変にならずにできます

この辺りクラスの豆が値段的にもおすすめであるし、充分に美味しく出来ると思います

兎にも角にも浸水と茹で作業が肝心な仕事です

年賀状や年末の行事・仕事が忙しくなる前の9月頃から11月にかけて作ってみても良いのではないでしょうか

じっくり時間をかけることで煮炊き物に関しても、少し理解できると思います

お節料理の時期ですが年末には
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12月の中頃に差し掛かって正月を迎える準備行事が始まる頃に「丹波黒大豆」こと「丹波黒」の出荷が最盛期になります、日本農業遺産に認定された世界最大級の黒豆を炊けるようになると毎年作りたくなるもんです

江戸時代頃は献上品とされた「ほんまもん」の黒豆でお正月を祝いましょう

ではまた

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プロフィール
在ドイツ公邸料理人
kawablog

日本料理歴25年以上の経験をもとに、ブログを通じて日本料理のコツなどをお伝えします
兵庫県出身 高校を卒業し大阪のホテルでの修行後
2020年11月よりドイツの公邸料理人として4年間赴任

若い日本料理人向けに専門的な季節料理の記事やアレンジレシピ・考え方や由来なども含めた記事にしています

また当時のベルリン生活の状況や観光情報も私なりの解釈を含めて紹介
していますので楽しんでもらえれば何よりです

ご意見やご指摘、わかり難い記述等がありましたらコメント欄から指摘をお願いします

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